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【バイヤー日記 #05 後編】消える商品、続く商品。その別れ道とは?

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目次

nohacoのおつまみを監修している「おつまみ専門店 平光商店」。

5代目店主 大野さんは「おつまみバイヤー」として全国各地の上質でおいしいおつまみを日々開拓しています。

この【バイヤー日記】は、大野さんにおつまみとの出会いやこぼれ話を語ってもらうシリーズです。おつまみ開発の舞台裏や、生産者さんのお話など、ここでしか聞けない興味深いお話をたくさん教えていただきます。

▼おつまみ専門店 平光商店とは?
「ご褒美おつまみサブスクnohaco」の監修店。1918年に手焼き煎餅の店として創業。戦後、岐阜市柳ヶ瀬商店街を中心とした花柳界に高級米菓を卸し始めた事をきっかけに、現在のおつまみ専門店へと繋がりました。その名残からあられや海苔巻き、おせんべいといった伝統的な米菓から進化系おつまみまで数多く扱っています。
▶ 平光商店の目利きについて詳しく知る

マイナーなのに、長く生き残るおつまみは何が違う?

前回は惜しくも市場から消えていく商品についてお話しました。

今回は、おつまみ業界の荒波を乗り越え、市場に残り続ける商品について紹介します。

nohacoが扱う商品は、“誰もが知っているおつまみ”とは言い難いマイナーなものが多いです。

「珍しいおつまみ」は、競争相手が少ない分、大量生産が難しかったり価格が高くなってしまったりと、長くヒットさせるには厳しい分野でもあります。

そんな中、きらりと光る個性的な商品が、長きに渡り生き残ってきた事例を紹介します。

長寿おつまみ その1:いぶりがっこチータラ

「いぶりがっこ」は秋田県の伝統食で、今や全国区の知名度を誇ります。

「いぶりがっこ」が有名になったのは農林水産省が進める、その土地で培われた産品名称を知的財産として保護しようという制度(地理的表示保護制度)がきっかけでした。

この制度が開始されたとき、秋田県がこれを大いに活用。その後の燻製ブームも追い風になり知名度が急上昇しました。

さらに、いぶりがっこ入りのタルタルソースやマヨネーズなどの調味料が大ヒット。

そして、ついにチーズとの運命的な出会いを果たすのです。

いぶりがっことチーズの抜群の相性は瞬く間に知れ渡り、関連商品が多く発売されたため、おつまみとして盤石の地位を築きました。

長寿おつまみ その2:鮭の酒びたし

新潟県村上市の名産品であるこの商品は、壮大な物語を持つおつまみです。

平安時代、この地を流れる三面川を遡上する鮭を朝廷に献上していたという記録が残っています。江戸時代には鮭が財政を支え、村上藩の子どもは「鮭の子」と呼ばれるほどでした。

さらに同時代に、世界初の鮭の自然ふ化にも成功しています。

現在でも地域ぐるみで鮭の生息環境を守り、維持するための努力を行っており、郷土食の域を超え、文化遺産とも言えるレベルで「鮭」が地域に根付いています。

鮭が獲れる限り、「鮭の酒びたし」も廃れることはないでしょう。

長寿おつまみ その3:広島名物 ぶち旨ホルモン せんじがら

広島の一部地域限定の味だったB級グルメ「せんじがら」。広島出身の芸人さんの発言をきっかけに知名度がアップしました。

見た目のインパクトやなんとも言えないクセの強い味わい。その面白さがメディアと相性がよかったのか、多数の番組で取り上げられました。

これは元々、屠殺場があった地域で廃棄されていた豚の内臓を有効活用しようとお肉屋さんが考案したおつまみです。

低温の油で煎じる様に揚げた「がら」(身を抜いた後の殻、または廃棄する物の意など諸説あり)という意味で「せんじがら」と呼ばれるようになったそう。

今や全国区になりつつある、広島のソウルフード珍味です。

長寿おつまみ その4: 木樽熟成醤油の旨味と薫りのミックスナッツ

スーパーやコンビニなど、どこでも簡単に手に入るミックスナッツ類。

多くのメーカーから発売されており、店頭でも「どれも大体似たり寄ったり」という反応をされるお客様が多くいらっしゃいます。

nohacoでは、ミックスナッツ系おつまみを選定する際に明確な基準があります。

「一般受けしながらも、品質が高く美味しい、そして個性があること」。

特にそれを体現しているのが「木樽熟成醤油の旨味と薫りのミックスナッツ」です。

日本人なら誰もが好むであろう味わいを、希少なブランド醤油で表現。

また、通常ならばナッツが湿気らないよう粉末醤油を使うところを、ブランド醤油の旨味を最大限生かすためにあえて液体のままの醤油で味付けしています。

高い技術を駆使して木樽熟成醤油の風味を引き立たせた、唯一無二のおつまみだと言えるでしょう。

長寿おつまみの共通点とは?

①地域のバックアップとサポート 

「いぶりがっこ」や「鮭の酒びたし」は文化的なレベルにまで地域に根付いているため、

地元のコミュニティや保存会などの強力なバックアップがあり、尚且つ地元が一大消費地という強みがあります。

地産地消の価値が再評価される昨今、他の地域でも愛される商品になるためには、まずは地元から。

ましてや地元産の原材料を使っていたり、その土地特有の製造方法であったりするならば、

環境の整備と保全のために地域や公共の協力は必須といえます。

②新たな組み合わせの発見

「いぶりがっこチータラ」や「木樽熟成醤油の旨味と薫りのミックスナッツ」は新しい組み合わせを発見する事で活路を切り開いてきた好例です。

しかし、それを現実のものとするには日頃の技術の研鑽や情報収集が必要です。

バイヤーとしてしばらくお付き合いしていると、うまくヒット作を生み出す会社というのは何となくわかります。

そのポイントの一つが「安価な商品で市場を広げつつ、一方では利益度外視で手間暇をかけた高品質な商品を作り続けること」。

これは、競争力強化と同時に技術の向上や継承を目的としており、マイナーながらも長く生産し続けられるおつまみが存在するのは、戦略的な経営手腕の賜物ともいえるでしょう。

③メディア露出で知名度アップ

TVで取り上げられるか否か。こればかりは運要素が強いですが、今はメディアもインターネットなどを使って情報収集している時代です。

そのため、SNSなどでの情報発信はもちろん、「取り上げやすい」と思ってくれるようなネタを提供する事も重要。

制作秘話や苦労話、魅力的なのに消えそうな商品…というのは人々の注目を集める「強み」とも言えるのです。

いざ訪れたチャンスを棒に振らないために、人前で話す練習もお忘れなく(笑)。

私の経験上、まずは新聞や雑誌などのインタビューからスタートするのがおすすめです。

おつまみ業界の未来のために、できること。

あらゆる理由があって「消えそうで消えない」おつまみが生き残っていることをお伝えしましたが、一方で、すべてに共通する課題もあります。

後継者不足です。

今後のおつまみ業界は、伝統を守る事で商品価値が向上→生産者の生活が安定→後継者不足の解消につながる、というサイクルが理想です。

若者が参入することで柔軟な発想や行動力が生まれ、業界の若返りという大きな恩恵となります。

一方で、そのような良いサイクルを産むには、ある程度「変化を受け入れる覚悟」が必要です。

私もバイヤーという立場でいろんなお話を伺いますが、周りに年下の方が増えるにつれ、時折、「今までと違うやり方」への不満を吐露される生産者の方もいらっしゃいます。

しかし、若者が委縮して働くような環境では、良いものづくりは望めません。現状維持、だけでなく「進化」を目指す勇気も必要なのだと感じるこの頃です。

これからも「おつまみ」というジャンルを守るために、作り手と共にあらゆる視点で取り組んでいこうと思います。

バイヤーが厳選したおつまみが届く「ご褒美おつまみ定期便 nohaco」

バイヤー日記で紹介したおつまみのほか、全国から厳選した350種類のおつまみの中からあなたにぴったりの商品をお届けします。「ご褒美おつまみ定期便  nohaco」をもっと知りたい方はこちら。

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