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nohacoのおつまみを監修している「おつまみ専門店 平光商店」。
5代目店主 大野さんは「おつまみバイヤー」として全国各地の上質でおいしいおつまみを日々開拓しています。
この【バイヤー日記】は、大野さんにおつまみとの出会いやこぼれ話を語ってもらうシリーズです。おつまみ開発の舞台裏や、生産者さんのお話など、ここでしか聞けない興味深いお話をたくさん教えていただきます。
▼おつまみ専門店 平光商店とは?
「ご褒美おつまみサブスクnohaco」の監修店。1918年に手焼き煎餅の店として創業。戦後、岐阜市柳ヶ瀬商店街を中心とした花柳界に高級米菓を卸し始めた事をきっかけに、現在のおつまみ専門店へと繋がりました。その名残からあられや海苔巻き、おせんべいといった伝統的な米菓から進化系おつまみまで数多く扱っています。
▶ 平光商店の目利きについて詳しく知る
日本3大珍味「からすみ」とは
「天下の三珍」と謳われる、ウニ、このわた、そして「からすみ」。
からすみは、ボラなどの卵巣を塩漬けしたのち、乾燥させたものですが、その歴史や作り方について、皆さんはどのくらいご存知でしょうか。
今回は珍味の王様ともいわれる「からすみ」についてお話します。
元禄時代から続く「からすみ」の歴史
塩漬けの魚卵を天日干しにする加工方法は、古くからギリシャ、トルコ、エジプト、イタリア半島などで確立されてきました。
諸説ありますが、からすみは16世紀頃、シルクロードを渡り中国から日本へと伝わりました。
形が中国の墨に似ていたことから唐の墨→唐墨(からすみ)と呼ばれるようになったそうです。
17世紀、元禄時代には日本産のからすみの品質の高さが認められ、干しアワビや干しナマコ、フカヒレなどと共に海外へと輸出される珍味となりました。
「からすみ」はなぜ高いのか?秘密はその製法にあり
高価さの理由は魚卵という非常に繊細な素材ゆえに自動化ができない、また漁期が1年に1ヶ月ほどと短期間に限られている、などの理由があります。
洗浄→血抜き→塩漬け→塩抜き→酒漬け→天日干し。
からすみを作る工程は文字で書くとシンプルです。
しかし、各工程には職人の緻密な作業と時間、そして経験が必要不可欠です。
とにかく手間がかかり、神経を使わないといけない細やかな作業が延々と続きます。
特に重要な工程が「血抜き」です。
表面に浮いて見える毛細血管に針を刺し、竹串のような道具で開けた穴に向けて血を押し出して取り除きます。魚卵がたっぷり詰まった柔らかな薄皮を破ってしまうとすべて台無しです。
この工程が不十分だと臭みの原因になり、大きく風味を損ないます。
氷水に漬けてはこの作業を繰り返し、塩漬けと塩抜き、酒漬け、天日干しへと進みます。
天日干しも乾燥具合を見て、ひっくり返したり、焼酎などを塗って調整したりと目が離せません。
海外からも日本のからすみのレベルが高く評価されてきた理由は、素材の良さと共にこのような丁寧な手仕事によるところが大きいのです。
現代に生き残った「進化系からすみ」
からすみは「海のチーズ」と形容される独特の食感があり、しっかりとした塩気と旨味、後味に残る磯の風味はまさに珍味の王様といえるでしょう。
辛口の日本酒との相性は最高です。
からすみの製造業者には老舗企業が多く、その伝統を現代に伝えてきましたが、長い歴史の中で古きを守りつつも新しい事にチャレンジしてきた生産者が生き残ってきました。
日本のからすみ産地で最も有名なのは伝来の地、長崎。
先に触れた輸出も長崎の港からでした。
俵に包んで輸送したことから「俵物」と呼ばれ、その呼称を復活し、県を挙げてブランド化に力を入れています。
また、その他の産地でも古くからある製造技術をブラッシュアップして目を見張る商品を作り出している企業もあります。
昔はひと房ごとの販売が常識でしたが、薄切りにして真空包装したり、個包装にした商品が開発されました。
少量ずつの販売で単価が抑えられ、消費の裾野は広がりつつあるようです。
魚卵の加工品は少しでも熱がかかれば変色、変質してしまいます。
バラバラにして固める方法は古くからあるものの、混ぜ物や添加物を使わざるを得ず、本来の良さを損なってしまいます。
からすみの小分け加工は衛生面でも高いレベルが求められ、難易度が高く、どこでもできるわけではないようです。
nohacoラインナップに「進化形からすみ」が登場!
今回、そうした企業努力によって生まれた「進化系からすみ」をnohacoからリリースします。
宮崎県産沖ボラを国内加工した高級からすみを小さなサイコロサイズにカットしています。
通常のものと燻製の2タイプをラインナップに加えました。
噛むほどにあふれる濃厚な旨味、じわりと広がる後味がしっかりと感じられ、高級料亭を思わせる上質な味わいを堪能できます。
宮崎産 からすみ 市松
宮崎産 からすみ 市松 燻製
からすみについてお話してきましたが、いかがでしたでしょうか。
nohacoのAIがからすみを選出し、お手元に届いた際は、歴史や伝統、作り手に思いを馳せつつ味わってみてください。
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